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力強い「寅」の大絵馬奉納 田辺市の寺院

本堂前に飾られた迫力ある寅の大絵馬=和歌山県田辺市中三栖で
本堂前に飾られた迫力ある寅の大絵馬=和歌山県田辺市中三栖で
 和歌山県田辺市中三栖、尋声寺(酒井秀瑞住職)は、本堂前に来年の干支(えと)「寅(とら)」にちなんだ大絵馬を飾った。住職の妻、裕美さん(65)が制作して奉納。「トラの歩みのように、しっかりと力強く進み、良い年になるよう願いを込めた」と話している。本堂の完成を記念して1998年から続けている。

 大絵馬は扇形で縦、横とも約1・8メートル。岩場を登ってきたトラが立ち止まり、周囲を見据えている様子を表現。後ろの金色の雲は、金雲(金運)が立ち込めるように、コロナ禍で疲弊した経済が早く安定し、元の生活ができるよう願って描いた。ベニヤ板に水性ペンキとアクリル絵の具を使って、約1カ月で仕上げた。

 裕美さんによると、世の中の不安定な状態は岩場を登るようなものだが、どんどん前に行くばかりではなく、一度立ち止まって自分を振り返り、未来を見据えて進むようにしてほしいという意味を込めたという。

 トラの絵に添えた「七走一座」は禅の言葉。「七回走ったら、いったん座り、振り返る時間を持ちましょう」「立ち止まることは決して悪いことではなく、自分を見つめ直すことも時には必要」という意味がある。

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