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長年途絶えていた盆踊り復活 古座川町

輪になって伝統の盆踊りを楽しむ住民ら(和歌山県古座川町平井で)
輪になって伝統の盆踊りを楽しむ住民ら(和歌山県古座川町平井で)
会場でヨーヨー釣りを楽しむ子どもたち
会場でヨーヨー釣りを楽しむ子どもたち
 和歌山県古座川町平井で14日、長年途絶えていた盆踊りが催された。「ハリバートセーヨーイヤナ」といった伝統のお囃子(はやし)に合わせて住民や帰省した人が輪になって踊り、十数年ぶりという盆踊りの復活や久々の再会を喜んだ。住民は「来年以降も続けていきたい」と話していた。


 同町を縦断するように通る国道371号を北上した奥地にある平井地区の人口は、町の集計で87人(1日現在)。区長の久保田省悟さん(71)によると盆踊りは毎年、地区内にある廣徳寺の境内で催されていたが、高齢化が進む中で10年以上前に途絶えたという。

 そんな中で今年、住民から盆踊りを復活させようという声が上がり、平井出身で、地域の活性化に取り組む「七川ふるさとづくり協議会」で活動している町地域おこし協力隊の谷井麻美さん(36)が後押し。同地区出身で踊りの指導をしている元小学校教諭の羽山正さん(70)=新宮市三輪崎=も協力し、7月上旬から本番に向けて練習を重ねた。

 この日は午後6時半ごろから廣徳寺の境内で始まり、住民や帰省した人ら約60人が続々と来場した。境内に設けられたやぐらの周りで輪になって炭坑節や串本節、「ハリャリャ」と呼ばれる地元の踊りなどを楽しんだ。ヨーヨー釣りやスイカ割り、景品がもらえるクイズなども企画。新型コロナウイルスの感染予防として会場入り口で検温したり、マスクを着用してもらったりした。

 兵庫県三田市から帰省して参加した溝畑貢さん(66)は「よく復活させてくれた。うれしいし、懐かしい。同級生20人ぐらいとLINE(ライン)でつながっているので、今日の模様を送って『みんなも来いよ』と呼びかけたい」と話した。

 平井で生まれ育ったという住民の植田節枝さん(88)は「涙が出てくるぐらい懐かしい。にぎわって良かった。これからも毎年してほしいし、100歳まで生きてこんな場を楽しんでいきたい」と笑顔を見せた。

 谷井さんは「これを機に、地域の方と一緒にもっともっと盛り上げていきたい」。久保田区長も「皆さんの協力で復活させることができた。行事も少なくなってきており、これだけにぎわうのは久しぶり。いったん復活させた以上は、来年以降も続けていきたい」と意気込んでいた。

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