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田辺市の応援補助金に申請続々 コロナ対応に幅広く活用

カウンターに設置した飛沫防止のガラス板(和歌山県田辺市高雄2丁目で)
カウンターに設置した飛沫防止のガラス板(和歌山県田辺市高雄2丁目で)
2階の客室と1階の調理場をつなぐインターホン(和歌山県田辺市湊で)
2階の客室と1階の調理場をつなぐインターホン(和歌山県田辺市湊で)
 新型コロナウイルス対策で業態を変化させたり、新サービスを始めたりする事業者に最大10万円を補助する和歌山県田辺市の独自制度に申請が相次いでいる。飲食店や宿泊施設、学習塾など業種は幅広く、「コロナ後」に対応する事業者が続々と生まれている。

 「応援補助金」の申請は5月7日~7月6日に133事業者から161件。当初は飲食事業者のテークアウトや宅配、学習塾や小売業者によるオンラインを活用したサービスの申請が多かった。緊急事態宣言解除後は、社会経済活動の再開に合わせ、感染防止対策として飛沫(ひまつ)防止板の設置や空気清浄機の購入などが増えている。

 同市高雄2丁目の居酒屋「備鳥家」では、カウンターに飛沫(ひまつ)防止用のガラス板を設置した。焼き鳥を焼く炭焼き台の前で、最初はアクリル板を設置したが、耐熱性がないため切り替えた。

 同店は4月上旬から約1カ月間、休業した。再開当初は客足が鈍かったが、6月以降、週末は少人数の団体客も入るようになった。

 個室があり、「密」はある程度避けられる。カウンターは席数を減らしている。ガラス板は6月末に設置。「会話はしにくくなったけれど、安全・安心が第一。煙が客席に流れないという利点もある。コロナ騒ぎが収まっても活用し続けたい」と話す。

 同市湊の居酒屋「こがね」では、2階の客室と調理場のある1階をつなぐインターホンを設置した。これまで、店員が注文を聞くためと届けるため、客室まで2往復していたのを1回にした。接触機会を減らすとともに、作業の効率化を図る狙いがある。

 4、5月は通常営業を休止。テークアウトに切り替えたが、注文が多いときでも売り上げは通常の半分以下。営業再開後は客席数を減らし、こまめに換気するなどして感染防止策を徹底している。

 再開当初は3、4人の団体が主だったが、週末には10人以上の団体も入るようになった。「それでも客席を減らしてちょうどいいぐらい。でも、営業できるのはありがたい」と話している。

 月別の申請は5月62件、6月64件で、現在も問い合わせや申請が続いている。市たなべ営業室は「事業者間の口コミで広がっている。制度の周知や活用事例の紹介を通じ、さらにPRしたい」と話している。

 問い合わせは市たなべ営業室(0739・33・7714)へ。

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