和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月09日(木)

帰省・旅行者数は回復傾向 年末年始、コロナへの警戒感も

 新型コロナウイルス下で2度目の年末年始。全国的に感染者数が低い水準に抑えられており、帰省や国内旅行をする人は前年より増えそうだ。ただ、新たな変異株「オミクロン株」の市中感染が確認されており、「慎重な検討」を求める声も出てきている。


 和歌山県田辺市出身で愛知県在住の会社員女性(34)は「去年は帰省していない。2年ぶりに地元に帰る」と家族や友人との再会を楽しみにしている。上富田町出身で大阪府在住の女子大学生(21)は「この2年間で帰省は4回目。友達に会いたいので、以前は検査してから帰っていた。今はワクチンも接種しているけれど、十分に気を付けたい」と話す。

 迎える側も心待ちにしている。田辺市高雄1丁目の男性(81)は「兵庫県から娘と孫が帰ってくる。会えない間も家族のライングループで近況は伝え合っていたけれど、実際に会うのとは全然違う。5歳の孫も大きくなっているはず」と笑顔を見せた。

 田辺市湊にある居酒屋では「年末は県のリフレッシュプラン(県民向け観光支援策)の利用客でいっぱい。新年も帰省してくる若者の同窓会の予約が入ってきている。ただ、この調子がいつまでも続くとは思えない」と年明けの動向を不安視している。

 観光地では「宿泊客は昨年より多いが、例年と比べると少ない」というところが多い。白浜温泉街(白浜町)のある宿泊施設は「12月31日から1月2日まではほぼ満室だが、3日以降は少ない」とこぼす。観光支援策「Go To トラベル」事業を停止した1年前と比べれば予約は入っているものの「正月明けは休館するかもしれない」という。

 田辺市本宮町にあるホテルも「年末年始の予約はほぼ毎年来てくださる常連さん。もともと冬は閑散期で、3日以降は空きが目立つ」と話した。

 例年多くの初詣客でにぎわう世界遺産・熊野本宮大社は、正月の混雑を避けるため、三が日以外の初詣を呼び掛けたり、「幸先詣(さいさきもうで)」として縁起物の授与を例年より早く始めたりしている。