和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月02日(木)

110番で現場動画送信 通報システム試験運用

110番映像通報システムの画面。画面上には「もう少し右を写して下さい」など指示が出る(和歌山市の県警本部で)
110番映像通報システムの画面。画面上には「もう少し右を写して下さい」など指示が出る(和歌山市の県警本部で)
 110番の通報者から、事件や事故現場の動画を受信できる「110番映像通報システム」の試験運用が和歌山県内でも始まった。音声だけでは伝わりにくい現場の状況を把握しやすくなり、初動対応の迅速化が期待される。

 警察庁が全国一斉に始めたシステム。都市部に比べ、警察官が駆け付けるのに時間のかかる山間部では、より効果が見込まれる。

 通報を受けた警察官が、聞き取った現場の状況から映像が必要だと判断すると、通報者が安全な場所にいるか確認した上、スマートフォンなどのショートメールにURLを送信する。

 通報者は指示に従い、4桁の番号を入力すると撮影が始まる。撮影前に通信料は通報者が負担すること、著作権は放棄することなどに同意する必要がある。

 県警地域指導課の担当者によると、昨年の110番通報は約5万2700件(いたずら、間違い電話除く)。そのうち、携帯電話からの通報は7割以上だったという。

 担当者は「映像があれば現場の状況が一目瞭然で分かる。協力をお願いしたい」と話している。

 6カ月間の試験運用中、通報者の利便性などで改善するべき点があれば、その都度改善していく。来年4月に本格導入を予定している。