和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月05日(日)

コスト上昇分の7割支援 国の肥料高騰対策始まる

 世界的な穀物需要の増加やエネルギー価格の上昇、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響から肥料価格が上がっているため、国は、化学肥料の低減や堆肥など国内資源の活用に取り組む農業者に対し、肥料コスト上昇分の7割を支援金として交付する。事業実施主体となる和歌山県協議会(県肥料コスト低減体系緊急転換対策協議会)は今月に入って受け付けを始めた。今回受け付けるのは今年の秋肥として使用する肥料購入費で、締め切りは来年1月17日。


 申し込みは、農業者が肥料を購入したJAや肥料店などで行う。肥料を販売したJAや肥料店など「取組実施者」が農業者ごとの申し込みを取りまとめ、各地域の振興局を通じて取組計画書などを提出する。

 支援対象となる肥料は、化学肥料だけでなく、有機堆肥など肥料法に基づく肥料全般。国が示す秋肥の高騰率を適用し、支援金を算出する。

 対象者は、化学肥料の2割低減の取り組みを行い、農産物の販売実績のある農業者。申し込みには、化学肥料低減計画書と誓約・同意書、振込口座届出書に記入する。

 化学肥料低減計画では、「土壌診断による施肥設計」「堆肥の利用」「食品残渣(ざんさ)など国内資源の利用」など、挙げられた項目のうち二つ以上に取り組む。

 今回は、今年6月から10月に購入した今年の秋肥が対象。今年11月から来年5月に購入し、来年の春肥として使う分は、来年、別日程で受け付ける。国の詳細が決まり次第、スケジュールを示す。

 協議会事務局の県果樹園芸課農業環境・鳥獣害対策室によると、秋肥の分の支援金支払いは来年3~4月ごろになる見込みという。

 対策室は「農業者が少しでも化学肥料の削減に向けた取り組みに踏み出すきっかけになれば。手続きで不明なことがあれば、振興局に問い合わせを」と呼びかけている。

 対策室のホームページにも詳しい説明を掲載している。