和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月19日(日)

高知から和歌山に紙風船 児童が世界平和願いメッセージ

高知県土佐市から和歌山県すさみ町まで飛んできた紙風船
高知県土佐市から和歌山県すさみ町まで飛んできた紙風船
紙風船に付いていたメッセージが書かれた紙
紙風船に付いていたメッセージが書かれた紙
 「世界を平和にしよう。戸波小四年 颯」―。高知県の小学生が飛ばした平和を願うメッセージが付いた紙風船が、和歌山県すさみ町佐本地域の山林で見つかった。橋本林業(田辺市明洋1丁目)の社員が、伐採作業をしていたところに飛んできたという。社員から連絡を受けてメッセージを見た橋本歩社長(41)は「ロシアがウクライナに侵攻している中でもあり、このメッセージがとても心に響いた」と感動している。


 メッセージが書かれた白い紙(縦約5・5センチ、横約9センチ)は、風船に付いたひもの先にくくり付けられていた。

 高知県土佐市家俊にある戸波(へわ)小学校によると、メッセージを書いたのは4年生の萩野颯(そら)君(10)。文字の下に描いているミカンのような果物の絵は、土佐市の特産品「ブンタン」。

 紙風船は、毎年文化の日の11月3日に中学校で開催している人権関連のイベントで飛ばした。今年23回目で、園児、小中学生、地域住民が中にヘリウムガスを入れて約350個を飛ばしたという。メッセージは子どもらがそれぞれ書いている。

 学校関係者は「4年ほど前に徳島県から紙風船が飛んできたと連絡を受けた覚えがあるが、和歌山県まで飛んでいったという話は聞いたことがない。平和のメッセージが遠くにまで届いていたことはありがたい」と驚いていた。

 紙風船がすさみ町に到着したのは12日。直線距離で約210キロを9日間かけて飛んできたことになる。

 萩野君は紙風船を飛ばしたイベントに欠席したため、誰かが代わりに自分のメッセージを付けて飛ばしてくれたという。

 萩野君は「(紙風船が)四国から出て、海を渡って和歌山県に着いたと聞いてびっくりした。メッセージが届いてくれてうれしい」と喜んでいた。