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2024年04月29日(月)

小学生は記述式に課題 和歌山県内の学習到達度調査

和歌山県学習到達度調査結果の平均正答率
和歌山県学習到達度調査結果の平均正答率
 和歌山県教育委員会は、県内の小学生を対象に10月に実施した2022年度県学習到達度調査の結果をまとめた。知識や技能を問う問題はおおむねできていたが、思考力や表現力を問う問題、記述式の問題には課題が見られた。


 調査は子どもの学力の定着状況をきめ細かく把握し、指導に役立てることが目的。小学4、5年生と中学1、2年生を対象に13年度から続けている。これまでは小中学生ともに年1回だったが、中学生は本年度、4月と12月の2回調査した。実施形態が異なるため、今回は小学生の結果だけを公表した。

 小学校228校で実施。4年生約6800人は国語と算数、5年生約6900人は国語、算数、理科を調査した。

 平均正答率は国語が4年生54・0%、5年生55・1%、算数が4年生66・7%、5年生64・1%、理科が57・8%だった。

 漢字の読み書きや書写、計算、実験器具の扱い方など、知識や技能を問う問題では正答率が高めだった。一方、文章や資料から情報を取り出し関連付けて考えたり、自分の考えが伝わるように工夫して書いたり、判断の理由を説明したりといった、思考力や表現力を問う問題、記述式問題に課題が見られた。

 県教委は「学習の過程を振り返る場面などで、身に付けた知識や技能を活用し表現する授業づくりが必要」と分析している。

 調査結果の概要は県教育センター学びの丘ホームページに掲載している。

 県教委は今後、この結果を踏まえ、教員向けの学力向上のための研修会などを実施する。