和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月14日(土)

野鳥のケリが繁殖前にペア 個体数少なく適地も激減

湿地に飛来したケリのペア(和歌山県上富田町で)
湿地に飛来したケリのペア(和歌山県上富田町で)
 和歌山県紀南地方では個体数が少ない野鳥ケリ(チドリ科)が、繁殖期を前にペアをつくって農地や湿地などで餌の小動物を探している。日本野鳥の会県支部会員は「近年、分布は広がっているが繁殖に適した場所が激減している」と心配している。

 全長約35センチでハトほどの大きさ。赤い目と黄色く長い足が特徴。県支部会員によると、全国的に分布域は南下傾向にあるが個体数は多くないという。環境省のレッドリストでは情報不足に分類され、絶滅危惧種としている都府県も多い。和名は鳴き声が「ケリッ」や「ケッケッ」と聞こえることに由来する。

 上富田町の農地では、ペアが水たまりで餌を探す姿が見られる。人が近づくと、雄とみられる個体が警戒し、人の意識を雌から遠ざけるような行動をすることもある。