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2024年05月14日(火)

【動画】「復興の桜」に集う 田辺市伏菟野の大水害被災地

復興の象徴として植樹した桜の下に集う住民ら(2日、和歌山県田辺市伏菟野で)
復興の象徴として植樹した桜の下に集う住民ら(2日、和歌山県田辺市伏菟野で)
 2011年9月の紀伊半島大水害で大きな被害のあった和歌山県田辺市伏菟野の土砂崩れ跡地で2日、復興を願って住民らが植樹した桜の下に、約50人が集って花見を楽しんだ。

 伏菟野区では当時、大規模な土砂崩れが発生し、民家6戸が全壊、5人が亡くなった。

 県の復旧工事は15年に完了。植樹は、復旧した跡地を桜とモミジで彩って元気な伏菟野を取り戻そうと、工事が終盤に差しかかった14年から始めた。住民らでつくる「伏菟野の明日を考える会」が中心となり、これまで桜を約470本、モミジを約150本植えた。

 コロナ禍で住民の集う機会が減っている中、復興の桜の下に集うのは4年ぶり。       

 この日は、会の呼びかけで「花見会」を開き、住民や河川の復旧工事に携わった人とその家族ら約50人が集まった。時折桜吹雪が舞う中、各自で持ち寄った飲食を楽しみ、話に花を咲かせた。

 災害当時の区長で、明日を考える会世話人の谷口順一さん(73)は「被災した当時のことを思うと感無量。桜の名所に育て、訪れた人たちに災害の記憶を伝え続けていきたい」と話している。