和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年04月09日(木)

ハクビシンの捕獲急増 和歌山県南部、分布も拡大

和歌山県紀南地方で捕獲が急増しているハクビシン(左)と間違われやすいアナグマ=田辺市稲成町で
和歌山県紀南地方で捕獲が急増しているハクビシン(左)と間違われやすいアナグマ=田辺市稲成町で
 外来哺乳類「ハクビシン」(ジャコウネコ科)の捕獲数が、本年度に入って和歌山県紀南地方で急増している。調査している田辺市ふるさと自然公園センターの鈴木和男さんの記録によると、9月までに26匹で昨年度(33匹)のペースを大きく上回っており、すさみ町とみなべ町でも初めて記録された。鈴木さんは「増加と分布拡大を防ぐには早期の捕獲が最善策。ここ数年の捕獲が今後を左右するだろう」と話している。

 県内のハクビシンは2009年にかつらぎ町で初確認、紀南では12年に白浜町十九渕で捕獲されたのが初めて。ハクビシンは、15年には国の重点対策外来種に分類され、対策の必要性が高い種と位置付けられた。県が今年作った外来種リストでも防除対策外来種に選定している。

 鈴木さんによると、紀南地方での駆除や交通事故による記録数は、12年度が旧白浜町と旧田辺市でそれぞれ2匹。13年度には旧日置川町(白浜町)も加え7匹となった。15年度は田辺市龍神村でも捕獲されて19匹と一気に増えた。16年度は上富田町や田辺市の本宮町、中辺路町、大塔地域でも記録された。18年度も増えて33匹となった。19年9月までの累積数は138匹で旧田辺市が74匹と最も多い。次いで旧白浜町の44匹。

 本年度、新たに記録されたすさみ町では7月に口和深で雌雄1匹ずつが捕獲され、雌は子育て中だった。みなべ町では8月に晩稲で妊娠している雌1匹が捕まった。

 また、ハクビシンの捕獲が増えるに伴って、在来種のアナグマ(イタチ科)をハクビシンと誤認する例が多くなっている。鈴木さんは「顔と体、尾の特徴に注目して判別してほしい」と呼び掛けている。


 ハクビシン 胴の長い体形、40センチほどの長い尾が特徴。重さは5キロまで。体色は黒褐色だが頭部は鼻筋だけ白い。樹上生活に適しており、雨どいを伝ったり、電線を渡ったりできる。雑食性だが特に果実を好む。

 アナグマ 体形はずんどう、たる型でしっぽは短く目立たない。体色は全体に薄茶色や白っぽく、目の周りが黒い。穴を掘って暮らしており、土壌生物や小動物を餌にする。まれに体重が10キロを超す。