和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年07月12日(日)

熊野15一絵(12)串本町西向/鯛島の祝福

朝日によって「金目鯛」となった鯛島(16日午前6時28分、串本町西向で)
朝日によって「金目鯛」となった鯛島(16日午前6時28分、串本町西向で)
鯛島地図
鯛島地図
 「おお、めでタイ!」

 タイのような姿をした「鯛島」の「目」に当たる穴に朝日が入って輝いた途端、思わず声が漏れた。印象的なその姿は、写真愛好者らから「金目鯛(きんめだい)」とも呼ばれて親しまれている。

 鯛島は古座川の河口約1キロ沖にあり、熊野古道大辺路から望める。そばにある「九龍島」とともに南紀熊野ジオパークのジオサイトに選定されている景勝地だ。

 この島には、鯛と蛇の物語も伝わる。仲むつまじかった鯛と蛇が海と川へと離れ離れとなり、お互い、恋しさの余り岩となってしまった。人々はその岩を「鯛島」「河内島」と呼ぶようになり、これを知った弁天と大黒が1年に1度、鯛を蛇に会わせてやることになった。それが河内祭の起源になったという物語だ。

 金目鯛を見るには秋から冬がベストシーズン。よく晴れているのに水平線上の雲に遮られることもあって、なかなか手強いが、朝日がうまく目に入れば、早起きして良かったと幸せな気持ちにしてくれる。

 さらに「めでタイ」初日の出も狙いたい。(牧康宏)
=随時掲載