和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年12月16日(月)

古座川のオオサンショウウオ学ぶ 写真家の内山さんら解説

オオサンショウウオについて話す内山りゅうさん(和歌山県古座川町高池で)
オオサンショウウオについて話す内山りゅうさん(和歌山県古座川町高池で)
 和歌山県の古座川に生息するオオサンショウウオやアマゴについて学ぶ交流会が11月30日、古座川町高池の町中央公民館であり、白浜町の水中写真家、内山りゅうさんと水産研究・教育機構中央水産研究所の宮本幸太さんが話をした。

 古座川らんどと七川漁協主催。約20人が来場した。

 内山さんは、20年前に東京都から撮影のフィールドである紀南地方に移り住んできた、その原点に古座川の透明度や生物の豊かさがあったと自己紹介で語った。

 海外に出掛けた時や海外メディアからオファーがあった時は必ず、オオサンショウウオの話が出るほど注目されている生き物なのに、日本人はどういう生き物かや重要性をよく分かっていないことを指摘した。

 オオサンショウウオ類は最大で全長1・5メートルになる。日本、北米、中国にしか生息しておらず、ヨーロッパでは大昔に絶滅している。「人間の歴史はわずか1万年、オオサンショウウオは3千万年前から姿を変えていない。日本の水環境が保たれてきたからこそ生き残ってきたと思う」と話した。

 今、古座川流域で繁殖している個体は1962年に県外から持ち込まれたと考えられている。他県の生息地ではオオサンショウウオに関する伝説が多く伝わっているが、古座川に伝わっていないことも根拠の一つだとした。

 生態は謎が多く、研究が進んでいない理由として、寿命が100年と長く追跡調査ができていないことにあると述べた。兵庫県では捕獲した個体にマイクロチップを埋め込んで識別して調査しており、これまでに1700個体に取り付けている。ただ、餌を食べないと全長が縮むこともあり、大きさで年齢を推定できないことも紹介した。

 また、京都府や三重県などでは中国産との交雑種が見つかっており、古座川の個体群は日本の純血であることを強調した。

 内山さんは「世界の宝であり、日本でも特別天然記念物に指定されている。歴史の長い生き物が近くの川で生きているということを、頭の片隅にでも置いてもらえたらうれしい」と締めくくった。

 宮本さんはアマゴなどの渓流魚が減少している原因を「生息場所の破壊」「乱獲」「家畜化」「捕食」だとして、魚道や産卵場を造ること、捕獲のルールを順守すること、野生種を大切にすることなどの対策を挙げた。

 また、川や湖での釣り人が約335万人いて、人気の魚種が(1)ヤマメ、アマゴ(2)イワナ(3)ニジマス(4)アユ(5)フナ―となっていることも紹介した。