和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年03月07日(日)

茶人・川上不白の生誕300年記念し干菓子

江戸時代に活躍した新宮出身の茶人・川上不白の生誕300年を記念して誕生した和菓子(和歌山県新宮市で)
江戸時代に活躍した新宮出身の茶人・川上不白の生誕300年を記念して誕生した和菓子(和歌山県新宮市で)
 江戸時代に活躍した和歌山県新宮出身の茶人・川上不白(1719~1807)の生誕300年を記念した和菓子ができた。紀南の自治体や経済界、和歌山大学などでつくる田辺市新庄町の「きのくに活性化センター」が企画。不白筆の「雪月花」の文字を短冊形の和菓子に写し取ったもので、センターは「茶道関係者だけでなく、広く県民に親しまれる和菓子になればうれしい」と話している。

 活性化センターの企画研究委員で、和歌山の和菓子文化を研究している鈴木裕範・和歌山大学客員教授(71)によると、川上不白は表千家で茶道を習い、新宮を治めた水野家で茶の先生である「茶頭職」を務めるとともに、江戸を舞台に千家流茶道を全国に広める上で大きな役割を果たした江戸千家流の流祖。

 今年が生誕300年に当たることから、活性化センターでは、ふるさとの偉人の業績を語り伝え、新宮の茶道文化の発展にも役立てたいと、茶会の席に欠かせない和菓子の開発を企画した。

 和菓子に川上不白筆の書を写し取ることにし、「江戸千家宗家蓮華菴(れんげあん)」(東京都文京区)の十世家元川上不白さんの協力で「雪月花」という草書の筆跡を選んだ。

 全国的にも数少ない和菓子木型彫刻職人の田中一史さん(54)=岡山市=が、菓子を作るための木型を制作。新宮市新町2丁目にある和菓子店「福田屋」の当主・永用利一さん(46)が、和三盆という砂糖を使い、試行錯誤を重ねながら茶席を彩る代表的な和菓子の一種である干菓子(ひがし)として仕上げた。

 短冊形(縦3・5センチ、横2センチ、厚さ9ミリ)で、白色、緑色、ピンク色の3種類。それぞれの表面に「雪」「月」「花」の文字などをあしらっている。

 鈴木客員教授は「色、形、甘さ、硬さと四拍子そろった良い和菓子ができた。新宮の和菓子文化を再認識するとともに、次の100年につながるような記念の和菓子になればと思う」。永用さんも「遠方からも注文を頂いており、大変ありがたい。ふるさと新宮から、川上不白をもっと発信していければ」と話している。

 干菓子「雪月花」は、福田屋が、1種類3個の計9個入りを900円(税込み)で販売している。

 問い合わせは福田屋(0735・22・9801)へ。