和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月20日(月)

久野遥子×山下敦弘×森山未來によるアニメーション映画『化け猫あんずちゃん』青木崇高・市川実和子らも参加

久野遥子監督×山下敦弘監督×森山未來『化け猫あんずちゃん』ポスタービジュアル(C)いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会
久野遥子監督×山下敦弘監督×森山未來『化け猫あんずちゃん』ポスタービジュアル(C)いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会
 フランスで今月14日から開催される「第77回カンヌ国際映画祭」(現地時間:5月14〜25日)の「監督週間」に選出され、公式上映を控える日仏合作アニメーション映画『化け猫あんずちゃん』(7月19日公開)の予告編、キャスト、主題歌、ポスタービジュアルが解禁となった。

【動画】アニメーション映画『化け猫あんずちゃん』予告編

 本作は、いましろたかし氏による同名漫画が原作。実写映像を元に描き起こすロトスコープの手法を用いた制作方法でアニメーション映画化した。『花とアリス殺人事件』(2015年)のロトスコープディレクターに抜てきされ、アニメーション・漫画・イラスト各方面から注目を集める気鋭のクリエイター・久野遥子と、『リンダリンダリンダ』(05年)や『カラオケ行こ!』(24年)などさまざまな作品を手がけてきた山下敦弘がダブル監督を務め、俳優の森山未來が声と動きを担当。

 アニメーション制作は『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』で知られ、『窓ぎわのトットちゃん』など繊細な芝居を得意とするスタジオ「シンエイ動画」と、カンヌ国際映画祭やアヌシー国際映画祭で数々の賞を受賞し、新進気鋭のフランスのスタジオ「MIYUプロダクション」が長編として初の日仏共同にてアニメーションを制作。シンエイ動画がキャラクターの動きを描き、MIYUプロダクションが背景美術と色彩を担った。

 お寺でのひとときを過ごすあんずちゃんとかりんの1コマと思いきや、大胆な地獄も垣間見えるポスタービジュアルは、久野監督が自らデザインし、アートディレクターのJulien De Manが手がける鮮やかな色彩と背景が織りなす、珠玉の一枚となっている。

 解禁となった予告編では、化け猫のあんずちゃんと少女・かりんが出会い、逃走劇を繰り広げる姿を映している。雷の鳴る豪雨のなか、お寺の和尚さんに拾われた子猫は「あんず」と名付けられすくすくと成長し、10年・20年経っても死なず、30年たった頃、いつしか人間の言葉を話し、人間のように暮らす「化け猫」になっていた。そんなあんずちゃんと出会った、父に捨てられた少女のかりん。

 そのかりんの父親・哲也の声と動きを国内外に活躍の場を広げる青木崇高、かりんの母・柚季はモデル、俳優でそのライフスタイルにも注目が集まる市川実和子が演じた。映画オリジナルとなるこの2人のキャラクターは、2人がそのままアニメーションの世界に飛び込んだようなキャラクターデザインにも注目だ。

 ロトスコープ作品初参加の2人は撮影を振り返り、青木は「あの撮影がアニメーションとどう繋がっているのか、想像すらできていない仕上がりが本当に楽しみで待ち遠しい」、市川は「『あんずちゃん』の世界のような脱力感あふれる現場で、和やかに過ごしていた。アニメでも、その力の抜けたゆるい空気を楽しんで」とコメントを寄せている。

 一方、あんずちゃんの育ての親であるおしょーさんをムーンライダーズの鈴木慶一、あんずと運命をかけた勝負を行う貧乏神には水澤紳吾、洞窟に集う妖怪の仲間・たぬきは、澤部渡(スカート)が怪演。原作コミックの既存キャラたちを演じる俳優陣の再限度も秀逸だ。

 ほかにも、吉岡睦雄、宇野祥平ら名バイプレーヤーたちが集結。実際に実写映画のような撮影を行っていながらその姿はアニメーションになってスクリーンに映し出されるというなんとも贅沢すぎる手法で、個性豊かなキャラクターたちが描かれる。

 本作の主題歌は佐藤千亜妃の書下ろし楽曲「またたび」に決定。佐藤は楽曲について「痛みを抱えながらもそれでも生きてゆく、全ての人生へ。その人生が、素敵な旅になりますように」とメッセージを寄せた。優しい歌声とあたたかな音色で、あんずちゃんとかりんが巡る奇跡のような物語を包み込むこの楽曲の一部が予告編で音源初解禁となっている。劇中の音楽はおしょーさん役の鈴木が担当。独特な世界観を味のある繊細な音楽で彩っている。

■青木崇高のコメント

 とても暑い夏の日の撮影でした。日本ならではの懐かしい情景のなか、山下組の撮影は心地のよいテンポで進んでいきました。撮影後に未來くんと飲んだ小料理屋のビールの味は格別でした。

 実は僕、あの撮影がアニメーションとどうつながっているのかまだよく分かっていないのです…。だからと言ってはなんですが、想像すらできていない仕上がりが本当に楽しみで待ち遠しいのです。みなさん、ご一緒に観に行きませんか??

■市川実和子のコメント

 台本を開いてまず、あんずちゃんの風貌に一目惚れしました。お話も台詞もむちゃくちゃなのに、とっても可愛らしくて。登場人物たちは、今という時代を忘れるくらい本当にのびのびとしていました。

 アニメ化するので実写撮影時はメイクもせず、衣装もみんなはゆるめな扮装で。まさに「あんずちゃん」の世界のような脱力感あふれる現場で、和やかに過ごしていたのを思い出します。アニメでも、その力の抜けたゆるい空気を楽しんでいただけたらなぁと思っています。

■主題歌:佐藤千亜妃のコメント

 人は誰しも、"あの夏"の思い出があるんじゃないかと思います。祭りの音、ぬるいラムネ、通り雨。『化け猫あんずちゃん』は日常と摩訶不思議な世界が隣り合わせにある作品で、まさに幼少期の頃に見た真夏の夜の夢のようです。

 そして主題歌「またたび」は、それぞれの胸の中にある"あの夏"に思いを馳せる楽曲になったかなと思います。痛みを抱えながらもそれでも生きてゆく、全ての人生へ。その人生が、素敵な旅になりますように。



【試読】「化け猫あんずちゃん」の電子書籍
【画像】久野遥子監督、山下敦弘監督、森山未來の直筆コメント
『マッドマックス:フュリオサ』ワールドプレミアで「第77回カンヌ国際映画祭」を盛り上げる
奥山大史監督『ぼくのお日さま』商業デビュー作でカンヌ「ある視点」部門選出 米津玄師「地球儀」MVも担当
「カンヌ国際映画祭」ジョージ・ルーカスに名誉パルムドール決定
提供:oricon news