和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月13日(金)

祭りに向け檜扇蔵出し 和歌山・新宮の速玉大社

扇立祭に向けて蔵出しされた檜扇のほこりを拭う巫女たち(3日、和歌山県新宮市で)
扇立祭に向けて蔵出しされた檜扇のほこりを拭う巫女たち(3日、和歌山県新宮市で)
 和歌山県新宮市の世界遺産・熊野速玉大社(上野顯宮司)は3日、14日に営む「扇立祭(おうぎたてまつり)」に向け、神前に立てる「檜扇(ひおうぎ)」7握(あく)の蔵出しをし、巫女(みこ)が丁寧にほこりを払った。

 扇立祭は神前に立てた檜扇に神が降臨し、無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願う神事。

 速玉大社には、室町時代に作られ、国宝などに指定されている檜扇11握が伝わっている。ヒノキの木目の美しさを生かし、彩色や金箔(きんぱく)、銀箔(ぎんぱく)を施して花鳥風月が表現されており、扇立祭で使う檜扇は1964年にそれを模して大きく作ったものを使用。高さ1・5メートル、幅1・65メートルの大きな扇1握を本殿前に、高さ0・8メートル、幅1・3メートルの扇6握を各社殿前に立てる。

 禰宜(ねぎ)の濵中孝成さん(48)は「扇によって疫病などをはらい、皆さんに暑い夏を乗り越えていただければ」と話している。

 扇立祭は14日午後5時半から神事を行って檜扇を開帳し、サックス奏者の演奏や福引なども予定している。開帳は午後8時まで。