和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年03月31日(火)

カツオの水揚げ、過去6年間で最高 でもピーク時の5分の1

水揚げされたカツオが並ぶ漁港(和歌山県すさみ町周参見で)
水揚げされたカツオが並ぶ漁港(和歌山県すさみ町周参見で)
昨年4月、黒潮からの暖流が紀伊半島東岸まで伸びていた(数字は水温)=和歌山県水産試験場提供
昨年4月、黒潮からの暖流が紀伊半島東岸まで伸びていた(数字は水温)=和歌山県水産試験場提供
 和歌山県内のカツオひき縄漁は2014年以降不漁続きだったが、19年は県内主要3漁港(田辺・すさみ・串本)の水揚げが372・4トンと過去6年で最も多かったことが、県水産試験場(串本町)の調べで分かった。20年も同様に推移するのではと期待しているが、ピーク時の5分の1程度で不漁傾向を脱するまでには至っていない。

 好漁の要因として春のカツオ漁期に熊野灘に流入した海流の影響が考えられるという。現在、黒潮は大蛇行して紀伊半島から大きく離れているが、昨春には黒潮から派生した暖かい枝潮「内側反流」が発生し、その暖流に乗って伊豆諸島周辺からカツオの群れが回遊してきたとみられる。この結果、静岡県や三重県でも好漁だった。また、漁期後半は紀南沖に県が設置した浮魚礁への来遊が多かったのも好漁に影響したと推測している。サイズは、東側から回遊してきた影響か、例年より大きな2~3キロクラスが多かったという。

 ただ、本来、紀伊半島沖に回遊してくる西側からの群れがほとんどなかった。その影響で四国や九州は不漁だった。

 水産試験場の資料によると、ピークの2000年には2千トン近くあり、その後は700トン前後で推移していた。しかし、14年には177・1トンまで落ち込み、18年には過去最低の138・6トンを記録した。

 山根弘士主査研究員は「内側反流は大蛇行の時に起きやすい。今年もカツオ来遊時期に発生するかどうかが水揚げを左右する」と話している。

■6日に研究発表会

 県水産試験場は6日午後1時から、田辺市新屋敷町の紀南文化会館小ホールで、研究成果の発表会を開く。基調講演や研究発表がある。

 基調講演は「大阪における浜の再生に向けた取り組みについて」と題し、大阪・泉州広域水産業再生委員会の森政次事務局長が話す。

 研究発表は次の通り。

 「海況と浮魚礁から見た2019年カツオ漁況について」山根弘士主査研究員▽「LAMP法による海産白点虫の検出」堅田昌英主査研究員▽「アユ資源変動に関する要因について」賀集健太研究員

 このほか、サバ類資源・漁海況関係や魚類・藻類増養殖関係、ウナギ・アユ関係などのポスター発表がある。

 問い合わせは県水産試験場(0735・62・0940)へ。