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2025年07月09日(水)

【動画】太鼓の達人が演奏指導 9月に田辺市20周年公演、「鼓童」平田さん、和歌山

参加者に太鼓の演奏を指導する鼓童メンバーの平田裕貴さん(右)=22日、和歌山県田辺市中辺路町で
参加者に太鼓の演奏を指導する鼓童メンバーの平田裕貴さん(右)=22日、和歌山県田辺市中辺路町で
 和歌山県田辺市内の三つの和太鼓団体が22日、同市中辺路町で、世界的に活動する太鼓芸能集団「鼓童」の平田裕貴さん(30)から演奏指導を受けた。9月15日に同市20周年記念事業として紀南文化会館(田辺市新屋敷町)で開かれる鼓童の公演に関連したワークショップ。参加者は公演前日、鼓童のメンバーに成果を披露する。


 ワークショップは鼓童の公演をきっかけにプロから表現力やテクニックを指導してもらい、演奏力の向上を目指そうと、市と市教育委員会が中辺路町栗栖川の中辺路コミュニティセンターで開いた。

 なかへち清姫太鼓と大塔太鼓翔流、弁慶鬼若太鼓保存会から約20人が参加した。自由に演奏してほしいと鼓童が広く提供している楽曲「春風」を参加者で演奏しながら、平田さんが曲のイメージや表現方法を伝えたり、太鼓や笛、鳴り物のテクニックを教えたりした。

 なかへち清姫太鼓リーダーの稲垣広志さん(54)=中辺路町栗栖川=は「今日は初心に返りながら学ぶことができた。この経験を元に、これからも練習を頑張りたい」と意気込んだ。

 平田さんは「最初に演奏していただいた時点ですごく良い演奏だったので、そこに鼓童の僕らがこだわっているところを伝えて、皆さんがたくさん吸収してくれた。成果披露は他の鼓童メンバーも喜ぶと思うし、田辺での公演は久々なのですごく楽しみ」と話していた。

 鼓童は新潟県佐渡市が拠点。1981年、ベルリン芸術祭でデビューして以来、世界50以上の国・地域で7千回を超える公演をしてきた。2023年には文化庁長官表彰を受けている。

 舞台で中核的な役割も務めるという平田さんは、鹿児島県出身。幼い頃から太鼓に親しんで育ち、15年に研修所に入所。18年から正式メンバーとして活躍している。

 鼓童による公演「鼓童ワン・アース・ツアー2025」は市と市教委の主催。チケット(一般5800円、18歳以下2500円)は、紀南文化会館などで販売している。