和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年09月19日(土)

井戸元監督の遺族がピッチングマシン寄贈 南部高校

南部高校硬式野球部にピッチングマシンを贈った井戸大志元監督の妻千代子さん(左端)と長男久修さん(手前左から2人目)=和歌山県みなべ町芝で
南部高校硬式野球部にピッチングマシンを贈った井戸大志元監督の妻千代子さん(左端)と長男久修さん(手前左から2人目)=和歌山県みなべ町芝で
 和歌山県の南部高校硬式野球部の監督を32年間務め、今年2月に68歳で亡くなった井戸大志さんの遺族から、野球部にピッチングマシンが贈られた。26日、夏の和歌山大会初戦で智弁和歌山と対戦する。選手たちは、新しいマシンで練習に励み、全力でぶつかることを誓っている。

 22日に妻の千代子さん(65)と長男の久修さん(41)が同校グラウンドを訪れ、マウンドでマシンの贈呈式があった。

 井戸さんは南部高校を甲子園に夏1回、春3回導いた。久修さんも高校時代は南部でプレーし、同学年で元プロ野球選手の濱中治さんらと甲子園を目指した。3年夏の和歌山大会では準決勝で智弁和歌山に敗れた。「おやじはここでいい思いをたくさんさせてもらったので、何か恩返しがしたかった。皆さんが初戦で対戦する智弁和歌山にはいっぱい泣かされた。練習して強くなってください」と選手たちを激励した。

 千代子さんは、毎日このグラウンドに立っていたという亡き夫に思いをはせ「一生懸命練習している選手をベンチに入れるのが井戸大志のやり方でした」と語った。選手たちには「智弁和歌山は相手にとって不足はなく、勝ち進んでいけばいつかは当たる相手。今まで練習した成果を精いっぱい出してほしい」と涙ながらに呼び掛けた。

 硬式野球部にはピッチングマシンが2台あったが、5年以上前のもので古くなっていた。贈呈されたマシンは最新式でコントロールが良く、球速150キロは出るという。主将で3年の叢(くさむら)哲成君は「このマシンでしっかり練習して頑張ります」と礼を述べた。

 南部は、昨年夏の和歌山大会では準決勝で智弁和歌山に敗れた。今年は新型コロナウイルスの影響で夏の全国大会とその予選が中止になり、26日午前9時から和歌山市の紀三井寺球場で予定している代替大会の2回戦第1試合で智弁和歌山と対戦する。

 矢野健太郎監督(30)は「本当にありがたいこと。南部の歴史を選手たちに伝え、再び強い高校にしないといけない」と決意を語った。