和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年04月14日(水)

多様認め合う社会に 多屋さんが絵本「ゆうこさんのルーペ」

新作絵本「ゆうこさんのルーペ」を制作した多屋光孫さん(東京都で)
新作絵本「ゆうこさんのルーペ」を制作した多屋光孫さん(東京都で)
 和歌山県田辺市南新町出身の絵本作家、多屋光孫さん(53)=東京都新宿区=の新作絵本「ゆうこさんのルーペ」が今月初め、合同出版(東京都)から出版された。障害をテーマに、多様な存在をお互いに認め合える社会になればという思いを込めているという。

 絵本は、子どもの頃から弱視の障害のある芳賀優子さんの実体験を基にした物語。主人公のはやた君が、優子さんが使うルーペを通していろいろな世界をのぞき、さまざまなことを学んでいく内容。

 障害の有無にかかわらず共に遊べるおもちゃの開発や普及を推進する共用品推進機構の理事や、障害者の地域生活に関わる権利擁護や相談支援に取り組む女性らと共にプロジェクトチームを設立し、意見交換や情報交換をしながら制作した。

 B判変型ハードカバー製本、カラー刷り、48ページ。価格は1800円(税別)。全国の書店で取り扱っているほか、インターネットでも購入することができる。

 多屋さんは2015年に大手繊維会社を退職し、絵本や紙芝居作家、挿絵画家として活動している。現在、日本で最も古いイラストレーターの職能団体「日本出版美術家連盟」の理事や事務局長を務め、二科展デザイン部会友。

 絵本の制作は1年に3、4作品に関わっているが、絵と文の両方を手掛けるのは2017年刊行の「よるこぞう」(鈴木出版)以来3年ぶり3作品目。

 多屋さんは「障害を扱った絵本だが、重苦しい話ではなく、障害者や他人のことを知ることの喜びを説教くさくなく描いた内容。この絵本で新しい何かに出合ってもらいたい」と話している。