和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月27日(土)

心を込めて福笹作り コロナ対策して十日えびす準備

十日えびすに向けた福笹作り(7日、和歌山県田辺市で)
十日えびすに向けた福笹作り(7日、和歌山県田辺市で)
 和歌山県田辺市宝来町の蓬莱山三敬院で7日、商売繁盛や五穀豊穣(ほうじょう)、家内安全などを祈る「十日えびす」の福笹作りが始まった。

 蓬莱山三敬院は、江戸後期に勧請され、紀南地方のえびす社で最も古い歴史を持つという。

 この日は朝から、池永真行住職(60)ら家族6人で福笹作りをした。コロナ禍の今年は作業人数を約半数に減らした。約1メートルのオカメザサにお札や縁起物を手際よく取り付けた。小判や俵などは当日に取り付ける。8日からは人手を増やし12人ぐらいで作業するという。

 福笹は例年並みの約3千本を用意する。千円から3万円まで約10種類ある。最近、人気の置物タイプは3千~5千円が売れ筋だという。9日の「宵えびす」、10日の「本えびす」、11日の「残り福」の3日間で、例年は約3万人の参拝があるという。

 3日間のコロナ対策として、手水の代わりに消毒液を置き、鳴り物を取り外したほか、マスクの着用を呼び掛ける。振る舞い酒と露店はない。密にならないよう帰りの順路を設けた。

 例年、3日間とも混雑するのは午後5時~9時だという。

 池永住職は「コロナ対策を考えながら手探りで準備をさせていただいている。コロナ退散も祈りながら心を込めて作業している」と話した。