和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月04日(土)

こだわりの商品買って 障害者支援団体がカタログ作成

カタログを持つ(右から)伏菟野きくらげ生産組合の打越さとみさん、和歌山県セルプセンターの柏木麻甫さん、「ひなたの杜」の湯川俊之さん
カタログを持つ(右から)伏菟野きくらげ生産組合の打越さとみさん、和歌山県セルプセンターの柏木麻甫さん、「ひなたの杜」の湯川俊之さん
 障害者の就労を支援する団体「和歌山県セルプセンター」(和歌山市)は、障害者就労施設の商品15点と、団体の賛助会員になっている事業者がこだわって生産する15点を紹介するカタログを作った。障害者の努力を広めつつ、各施設や事業者の収益にもつながればと期待している。

■賛助事業者の収益にも

 「高品質なのに販路が少ない」という課題を解決する一助になればと初めて企画した。掲載する商品は、安全・安心や無(低)添加、県産を基準に選んだという。カタログはA4判で16ページ。5千部を作った。

 商品に込める各施設や事業者の思いをつづった文章や写真、全体のデザインはプロに依頼した。団体は「読み物としても十分楽しめる内容になっている」と胸を張る。

 紀伊半島大水害の被災地で「伏菟野きくらげ生産組合」(田辺市伏菟野)が生産するキクラゲのセットも載っている。代表の打越さとみさん(52)は「多くの方にカタログを手に取り、私たちのキクラゲを知ってもらいたい。販路も広がれば」と期待する。

 田辺市上芳養のジビエ処理施設「ひなたの杜」から生まれる鹿肉、猪肉もある。施設を運営する湯川俊之さん(43)は「ジビエの『硬い、臭みがある』という印象が変わり、普通に食べられるものだという考えが広まればいい」と話している。湯川さんは年間約300匹を解体、精肉している。血の抜き方で質の高さが保てるという。

 紀南で生み出される商品は他にも多く掲載している。「匠創海」(すさみ町)のかつお節セットや、糖度の高いサイパン芋を使う「エコ工房四季」(串本町)の「スイーツセット」などがある。

 商品の販売は11月から始める予定。問い合わせは県セルプセンター(073・499・6142)へ。