和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月27日(土)

「とりそば」が人気 田辺市本宮町の「下地橋」

看板メニューの「塩とりそば」
看板メニューの「塩とりそば」
朝市で青ネギを購入する木村友紀さん(右)。左は朝市を主催する「四村川活性化委員会」の久田里敏行さん=和歌山県田辺市本宮町渡瀬で
朝市で青ネギを購入する木村友紀さん(右)。左は朝市を主催する「四村川活性化委員会」の久田里敏行さん=和歌山県田辺市本宮町渡瀬で
 和歌山県田辺市本宮町請川にあるラーメン店「とりそば下地橋」が人気だ。一つ一つにこだわっているという使用食材の中には、地元産の野菜もある。店主の木村友紀さん(45)は「空気も水も、景色もきれいな唯一無二の場所にある店の厨房(ちゅうぼう)に立ち、想像以上に喜んでもらえている。こんなに楽しいことはない」と充実ぶりを話す。

■ランキング県1位

 昨年8月に開業した。「本宮にラーメン専門店があるとうれしい」という周囲の声もあって決めた。

 かつてフードコンサルタントとして働いていた木村さんは「麺類は不況にも強いというセオリーがある。コロナ禍の中で大々的には宣伝できなくても、なるべく地元産の食材を使い、できる限り丁寧に作り上げたら、喜ばれるのではないか」と考えたという。

 この予測は、良い意味で外れる。「売り上げは予測の上の方、ここまでいったら理想という辺りで推移できている」と明かす。

 各種メディアで取り上げられ、インターネット上の「和歌山県のラーメンの名店」ランキングでは8、9月と続けて1位になった。「うれしい誤算という感じ」。昼食時は多い日で100人超が来店し、すぐに行列ができる。地元のファンはもちろん、県外のリピーターも多いという。

 羅臼昆布と丸鶏から、うま味を引き出したスープに、有名な製麺所から仕入れる麺を合わせた「塩とりそば」が看板メニュー。トッピングなどで使う野菜のほか、米も地元産だ。本宮町渡瀬で住民団体が毎週土曜に開く朝市では、青ネギやショウガなどを仕入れる。年間を通じて購入するため、予約購入のような形になっているという。

 朝市を主催する「四村川活性化委員会」会長の久田里敏行さん(69)は「生産者や私たちにとっても(木村さんの店は)ありがたい存在」と話している。

 「とりそば下地橋」の営業は昼(午前11時~午後2時)と夜(午後5時半~8時)。夜の営業は金、土、日曜のみ。定休日は火曜。