和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月04日(土)

落ちアユ狙い伝統の「ハメ漁」最盛期 日高川

アユの群れを狙って小鷹を投げ入れる(和歌山県田辺市龍神村で)
アユの群れを狙って小鷹を投げ入れる(和歌山県田辺市龍神村で)
 和歌山県田辺市龍神村を流れる日高川で、落ちアユを取る「ハメ漁」が最盛期を迎えている。漁期は12月末までだが、11月末ごろまでには、ほぼ終えるという。

 秋になり、水温が下がって産卵のために川を下ろうとするアユの習性を利用した伝統漁法。瀬の両岸を渡して張ったロープに稲わらを結び付けておくと、下ってきたアユが行き場を失い群れとなり、そこに小鷹(こたか)と呼ばれる網を投げ入れて捕まえる。

 龍神村西にある龍神行政局上手の河原では、今月初めから龍神村龍神の谷口啓さん(66)、龍神村東の土井寿美さん(65)、龍神村殿原の杉本正夫さん(64)が漁をしている。

 アユの餌となるコケが生え、網を投げて捕まえやすい浅瀬にロープを張るのがこつ。土井さんらによると、卵を持ったアユは食べるとおいしくて知人にあげるという。