和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月17日(金)

プロと舞台で共演も/田辺市中芳養小/オペラ鑑賞会

オペラ歌手とともに出演する中芳養小学校の児童(10月31日、田辺市中芳養で)
オペラ歌手とともに出演する中芳養小学校の児童(10月31日、田辺市中芳養で)
 田辺市の中芳養小学校で10月31日、NPOミラマーレ・オペラ(横浜市)による公演があった。全校児童118人と中芳養中学校の生徒59人、大坊小学校の児童20人、地域住民らが鑑賞する中、オペラ歌手らとともに5、6年生35人も出演した。

 ミラマーレ・オペラはオペラに親しみを持ってもらう活動をしており、文化庁の巡回公演事業で本年度、大阪府や和歌山県の小中学校を回っている。9月には中芳養小学校5、6年生に歌い方の指導などのワークショップを開いた。その後、児童は今回の出演に向けて練習してきた。

 この日、ミラマーレ・オペラから歌手やオーケストラ演奏者、スタッフら42人が来校。舞台セットを設置した体育館で公演が開かれた。

 演目「てかがみ」は、教員の亮子とアメリカ人教員ジョンの結婚式から始まる。式場が火事になったことから、亮子の父、勇一の戦時中の記憶がよみがえる。空襲の恐ろしさやアメリカ人捕虜との交流、手鏡の奇跡的な巡り合わせが描かれ、亮子が手鏡に託された思いを胸に希望に満ちた未来を歩み出す。

 オーケストラの生演奏に合わせ、歌手の歌声と演技が披露された。中芳養小学校5、6年生は亮子の結婚式を祝う教え子や戦時中の子どもの役で舞台に登場し、歌手と一緒に歌や振り付けを披露した。

 中芳養小5年の辻琉愛さん(11)は「劇に出て緊張したけど、楽しかった。皆で力を合わせて良い劇ができた」と笑顔。ミラマーレ・オペラの松山郁雄代表理事(63)は「オペラに触れて思い出になったり、興味を持ってくれたりしたらうれしい」と話した。