和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年09月20日(日)

有休で農家の手伝いを 近畿農政局が援農バケーション

「企業の援農バケーション」について近畿農政局から説明があった会議(和歌山県みなべ町芝で)
「企業の援農バケーション」について近畿農政局から説明があった会議(和歌山県みなべ町芝で)
 都市部で企業に勤める人に、有給休暇制度を利用してボランティアで繁忙期の農家を手伝ってもらう―。近畿農政局は「援農バケーション」と題した取り組みを考えた。今年初めて試行的に、和歌山県みなべ町で繁忙期である梅の収穫期にしたいと考えている。

 国内の約3割のシェアを占めるという梅の産地である同町だが、近年、高齢化や後継者不足が進む。特に梅の収穫期である6月ごろは「猫の手も借りたい」ほどの繁忙期を迎えるが、人手が足りず、収穫を諦める園地がある年もあるという。このため、町内では農業者団体や行政、JAなどが対策会議を重ね、解決に向けた取り組みをしたり、ミカン産地との労働力交換をしたりといった努力をしている。

 そうした状況に対し、同局が援農バケーションを提案した。取り組みについては、2月27日に同町芝の町役場に町内の各農業者団体の農家や行政、JA関係者が集まり、同局経営支援課から説明があった。

 背景として、企業側には働き方改革関連法案の施行で、年次有給休暇の取得が義務付けられていることなどを挙げた。農家側は参加者に宿泊、食事を無料提供し、交通費は補助すること、滞在期間中に休日を設け、参加者に近隣観光地を訪問してもらうことといった内容で提案した。

 農政局が企業に声を掛けて参加者を調整したいといい、産地側には受け入れ体制の確保など実施に向けた協力を求めた。まず、何軒かの農家に絞って小さく始めようという話になった。今後、それぞれが調整を進め、今年の梅の収穫期に試行する計画にしている。

 取り組みを考案したという同局経営支援課の岡本紘幸さんは「うまく機能するかモデル的に実施してもらいたい。これですべて労働力不足が解消するわけではないが、その一助になれば。都市と農村の交流につながり、みなべの梅のアピール、販促にもつなげられるのではないか。長く続けるためにも、あまり負担にならないようにやってもらえれば」と話した。