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奥辺路散策に準備着々 説明板と道標設置、近くパンフも

境内に設置された皆瀬神社の説明板。近隣施設への道標も兼ねている(和歌山県田辺市龍神村龍神で)
境内に設置された皆瀬神社の説明板。近隣施設への道標も兼ねている(和歌山県田辺市龍神村龍神で)
奥辺路沿いに設置された道標(和歌山県田辺市龍神村湯ノ又で)
奥辺路沿いに設置された道標(和歌山県田辺市龍神村湯ノ又で)
 和歌山県田辺市龍神村で地域の特性を生かしたまちづくりに取り組んでいる「龍の里づくり委員会」の「幻の熊野古道・奥辺路班」はこのほど、龍神村内の奥辺路沿いに説明板と道標を設置した。メンバーは「4月中にパンフレットもできる予定。奥辺路を気軽に歩いてもらえるよう準備は着々と進んでいる」と話している。


 奥辺路は、熊野古道とは別に存在した高野山と熊野三山を結ぶ山岳信仰の道。龍神村内では忘れられていたが、清水町(現有田川町)の資料に記されていることが7年前に分かった。

 奥辺路班によると平安末期、上皇の熊野参詣に伴う物資供給のため中辺路の近露に合流する道と、江戸時代から昭和にかけて生活道として利用された小辺路の果無峠につながる道に分かれるという。

 総延長(高野山―田辺市本宮町)は約87キロ。このうち龍神村内は約33キロとみられている。

 説明板と道標は主にスギ(一部はヒノキ)を使い、丈夫なつくり。文字板はプラスチック製。道に迷わないよう安全に奥辺路を歩いてもらい、地域の文化にも触れてもらおうと、2020年度から3年計画で設置している。

 初年度は護摩壇山周辺の約7キロの区間に道標8基と説明板3基を設置した。今回は護摩壇山の麓の殿垣内から三ツ又までの約15キロに説明板3基と道標11基を設置した。

 説明板は龍蔵寺(龍神村龍神)、皆瀬神社(同)、星神社(龍神村三ツ又)に設置。大きさは皆瀬神社の場合、一辺が約10センチの角材で枠を作り、幅約160センチ、高さ約130センチ。神社の説明のほか、龍神温泉と龍蔵寺までのそれぞれの距離と方向も記している。

 奥辺路班のメンバーは「奥辺路を本格的に売り出すには、まだ準備が必要で着実に進めたい。いろんな面から楽しんでいただける観光資源だ」と期待している。

 龍の里づくり委員会は農林水産業や商工業、温泉、芸術家による創作活動など村内の地域産業や観光面の資源に改めて着目し、これらをもっと生かした地域づくりを進めようと18年度に設立された。観光、商工、行政など龍神村内の21団体で構成している。

 委員会では、これら各団体の若手を中心に観光や農林商工業に携わる人たち、芸術家、行政機関の関係者らで企画部会をつくっている。さらに部会の中に三つの班(奥辺路班、情報発信班、食の龍神ブランド開発班)を設け、具体的に活動している。

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