和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月17日(金)

留鳥が恋の季節 山間にさえずり響く

繁殖期を迎えたカケス(和歌山県田辺市龍神村で)
繁殖期を迎えたカケス(和歌山県田辺市龍神村で)
 和歌山県紀南地方の山々で留鳥が恋の季節を迎えている。カケスやヤマガラ、キバシリなどがさえずり、巣材をくわえて飛んでいく姿が見られる。

 田辺市龍神村の山間を通る県道沿いでは、ものまね名人といわれるカケスが繁殖の準備で飛び回る。全長30センチ余りでハトほどの大きさ。翼にある水色のストライプ模様が美しい。カラスの仲間で頭が良く警戒心も強い。

 春はさえずりの合間に、オオタカやツミ、サシバなど他の鳥の鳴きまねをする。時にはチェーンソーや枝打ちの音をまねることがあるという。普段は「ジャーッ」や「ジェーイ」などとしわがれた声を響かせる。これが英名の「Jay(ジェイ)」の由来になっている。

 日本野鳥の会県支部会員によると、田辺市街地の留鳥も繁殖期を迎えており、早朝、メジロやカワラヒワ、ウグイスなどのさえずりがオーケストラのように聞こえてくるという。木の枝などの巣材を集める様子も見られる。