「若者の仕事観」
新聞記者になったころ、バブル期のサラリーマンを題材にしたドリンク剤のテレビCMが人気だった。キャッチコピーは「24時間戦えますか」。昭和を感じさせる文句だ▼時代は流れ、今は残業で心身を壊すことがないよう「働き方改革」が叫ばれている。終身雇用を望まず、転職する人も珍しくない。コロナ禍を経て、会社に出勤せず仕事をする「テレワーク」も定着した▼不動産会社「FJネクストホールディングス」(東京都)が、首都圏で働く一人暮らしの20、30代の会社員400人に仕事観に関するアンケートを実施した。その結果が興味深かった▼「一つの会社に最低何年勤めるのがよいか」には、5年以内が6割近くを占めた。「定年まで」との答えは1割程度で、男性(9・0%)よりも女性(11・5%)の方が多かった。転職については、61・8%が最低1回は経験していた▼1年間のテレワーク率では、53・5%が何らかの形で実施しており、「10割」も4・8%あった。仕事中の服装のカジュアル化は、部分的な導入を含め68・3%に上った▼仕事とプライベートを両立させ、重要なのは「どこで働くか」よりも「どう働くか」。私も残り少ないサラリーマン人生を充実させたい。 (河)