和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年12月19日(金)

レ号の史実広めたい、串本

串本ロータリークラブの創立50周年記念例会であいさつする会長の矢倉甚兵衛さん(左)=和歌山県串本町サンゴ台で
串本ロータリークラブの創立50周年記念例会であいさつする会長の矢倉甚兵衛さん(左)=和歌山県串本町サンゴ台で
 奉仕団体「串本ロータリークラブ(RC)」の創立50周年記念例会が17日、和歌山県串本町サンゴ台の「エムズカフェアンドダイニング」であった。会長の矢倉甚兵衛さん(81)は「会員を増やし、少しでも地域に貢献していきたい」と展望を語った。1791年に米国の商船レイディ・ワシントン号が紀伊大島に寄港した史実を広く知ってもらうための活動を引き続き中心に考えていくという。

 串本RCは1975年5月の設立。さまざまな奉仕活動を展開している。会員は最も多い時で51人いたが、現在は3人という。

 17日の記念例会には、周辺地域のRCの会長ら約30人が出席した。

 矢倉さんは、史実を広めるために展開してきた取り組みを振り返った上で、樫野地区にある日米修交記念館をより充実させてほしいと指摘。「来年は寄港から235年になる。記念館の修復に向けた企画立案の年にしてほしい」といったアイデアを披露した。

 提案を聞いた田嶋勝正町長は、記念館が完成から約50年が経過して老朽化している点に触れ、建て替えるなら数億円は必要との認識を示し「どうしていこうか悩んでいる」と語った。

 串本RCは創立50周年の記念として、記念館近くに石碑を建てる計画を練っている。田辺市在住のノンフィクション作家・佐山和夫さん(88)の「串本はアメリカに一番近い町」という言葉を刻むという。佐山さんは、レイディ・ワシントン号が串本町に来航した史実を書いた著書「わが名はケンドリック」がある。

 記念例会では、佐山さんの講演もあり、出席者が聞き入った。


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