和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年12月19日(金)

「税と選挙」学ぶ、周参見中

出前授業で模擬選挙をする中学生(和歌山県すさみ町周参見で)
出前授業で模擬選挙をする中学生(和歌山県すさみ町周参見で)
 和歌山県すさみ町の周参見中学校でこのほど、和歌山税務署と県選挙管理委員会による「税と選挙の出前講座」があった。3年生16人が座学と模擬投票体験を通して、税制と選挙の役割や大切さを学んだ。

 県選管や税務署では、政治・選挙や税に関する興味関心、社会参画意識の向上のために「選挙出前講座」や「租税教室」をそれぞれ小中学校や高校で開いている。国や地方公共団体の財政を支える「税」とその使い道を決める代表者を選ぶ「選挙」は密接な関係にあることから、共同での出前講座にも取り組んでいる。

 この日は、田辺税務署の松浦智有さんが「税金は何種類あるか」「いつ導入されたか」などをクイズ形式で説明したほか、税金で賄われている公共施設や公共サービス、国の予算や財政赤字の問題についても紹介。「税の使い道は選挙で選ばれた人が決める。暮らしやすい日本にしていくためにも、どういう場所に税が使われているかを考え、しっかりと判断する知識を身に付けてほしい」と呼びかけた。

 県選管西牟婁分局の佐々木勇祐さんは、選挙の基本原則や詳しい制度についてクイズを交えて説明。年代別投票率のグラフを見せながら若者の投票率が低いことを伝え、「若者の意見が反映されにくく、お年寄りに有利な政策ばかりになってしまう。義務ではないが、投票に行かないのは意見を言わないのと同じ。自分の思いを伝えるためにも投票に行ってほしい」と訴えた。

 すさみ町選管の協力で実施した模擬投票では、教員2人が「理想のすさみ」をテーマに演説。生徒は演説を聴いたり選挙公報を読んだりした後、受付で投票用紙を受け取り、記載台で候補者名を記入して、少し緊張した面持ちで投票箱に用紙を入れた。

 授業後、津村謙心さんは「町で使われている税の金額に驚いた。学校や体育館など、身近な所に税が使われていることを実感した。選挙には固いイメージがあったが思ったより気軽に投票できたので、自分も選挙権を持ったら投票に行きたいし、若者が積極的に参加していくべきだと思った」と話した。