和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年12月19日(金)

あいサポーター研修、東陽中

「あいサポーター」研修で、手話でのあいさつの練習をする東陽中学校1年生(和歌山県田辺市神子浜1丁目で)
「あいサポーター」研修で、手話でのあいさつの練習をする東陽中学校1年生(和歌山県田辺市神子浜1丁目で)
 和歌山県はこのほど、田辺市神子浜1丁目の東陽中学校で、1年生66人を対象に「あいサポーター」研修を開いた。生徒は講義や障害に関する紹介DVDの視聴、手話講座などを通じて、障害のある人が暮らしやすい社会づくりについて理解を深めた。

 多様な障害の特性や障害者が困っていること、必要としている配慮などを理解して手助けをする人(=あいサポーター)を養成する研修。手助けや配慮を実践することで、障害者が暮らしやすい地域社会(共生社会)をつくる「あいサポート運動」を周知する役割も担う。県西牟婁振興局では、管内の中学校と協力して研修を開いていく予定。

 東陽中での講義は、西牟婁振興局総務福祉課の木下裕貴主査が講師を務め、障害者差別解消法についてや、援助や配慮を必要とする人に交付しているヘルプマークなどついて説明。視覚、聴覚・言語、盲ろう、肢体不自由などそれぞれの障害について異なる配慮の仕方も紹介し「障害のある人が困っていたら、まずは勇気を持って声をかけて。相手の気持ちを尊重し、必要なサポートを実践していってほしい」と呼びかけた。

 同課の職員で手話通訳士の竹中美子さんによる手話講座もあった。手話に関する情報をクイズ形式で説明したほか、「こんにちは」などのあいさつや「お手伝いしましょうか」「ありがとうございます」といった手話での会話も練習した。

 授業の後、山本咲和さんは「障害のある人が困ってしまうのは、自分たちの理解が足りないからだと分かった。習ったことを意識して過ごし、少しでもみんなが暮らしやすいようにできたらいいなと思う」と話し、楠本欣也さんは「白杖(はくじょう)を持った人が頭上に50センチ以上つえを掲げていたらSOSサインであることは初めて知ったし、手話もとても大事だなと思った。困っている人がいたら、習ったことを生かして手助けしてあげたいと思う」と振り返った。