和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年12月19日(金)

NASAデータでアプリ 開発大会に15人、宇宙のまち串本、和歌山

知恵を絞りながらアプリケーションの開発に取り組んだ参加者(4日、和歌山県串本町潮岬で)
知恵を絞りながらアプリケーションの開発に取り組んだ参加者(4日、和歌山県串本町潮岬で)
 和歌山県串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家で4、5の両日、米航空宇宙局(NASA)が公開している宇宙や地球についてのデータなどを活用してアプリケーションを開発するイベント「NASAスペース・アップス・チャレンジ串本」(実行委員会主催)があった。県内外から5チーム15人が参加。「スペースタウン」として注目が高まる串本で、宇宙科学とプログラミング開発への理解を深めた。

 県宇宙教育研究会が共催。県や町、紀伊民報などのほか、同町田原で民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」を運営する「スペースワン」も後援した。

 NASAが世界各地で同時に行う「ハッカソン」と呼ばれるプログラミング・コンテスト。同町では2019年から毎年開かれており、今回で7回目。世界では450カ所以上、国内では串本を含めて5カ所で同様のイベントがあった。

 串本会場では中学生と大学生、社会人が参加。五つのチームに分かれ、アプリケーションの開発に取り組んだ。

 友人2人とチーム「レッサーパンダ」として参加した白浜町白浜中学校1年の砂野ののんさん(13)は「過去の気象データを活用して農業をサポートするようなことができないかと思っている。難しいけど、何とか完成させたい」と意気込んでいた。

 実行委員長を務めた和歌山大学戦略情報室の満田成紀室長(58)は「宇宙について考えを膨らませる場所として、スペースワンの射場ができた串本は適している。短時間でアプリを完成させるのはとても難しいことだが、難しさを知った上で次へのステップへ役立ててもらえたらうれしい」と話していた。

 創造性や有効性など共通する五つの基準で審査した結果、世界大会へ作品を提出する最優秀賞に、名古屋大学教育学部付属中学校の生徒3人でつくるチーム「FKA」を選んだ。同チームは、指定した位置の光害レベルに応じて見える星空を表示するアプリを開発した。

 この他の入賞チームとテーマは次の通り。

 【審査員賞】

 レッサーパンダ「農業におけるNASAデータ探索の活用」▽FKA「健全な都市と人間の居住地へのデータパスウェイ」▽toin|A「流星狂気」

 【プレゼン賞】桐蔭中学校科学部B「宇宙からのサメ」

 【技術賞】Chrysaora「私のパレードに雨は降るでしょうか?」


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