和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年12月19日(金)

「動く牛馬童子」好評

田辺市で熊野古道のシンボルとなっている牛馬童子をモチーフにした動く木のおもちゃ(和歌山県田辺市龍神村小家で)
田辺市で熊野古道のシンボルとなっている牛馬童子をモチーフにした動く木のおもちゃ(和歌山県田辺市龍神村小家で)
来年の干支に合わせてこのほど完成させた、ウマのバージョンもある
来年の干支に合わせてこのほど完成させた、ウマのバージョンもある
 和歌山県田辺市龍神村小家にある「アトリエ龍神の家」で活動している切り絵作家蓑虫(みのむし)さんの「蓑虫工房」が手がけた、同市中辺路町にある牛馬童子像をモチーフとした木のおもちゃが好評を得ている。斜面を自走するかわいらしい姿で熊野古道のシンボルをアピール。蓑虫さんは「動く牛馬童子を楽しんで」と話しており、来年の干支(えと)にちなんだウマの新作も完成した。

 おもちゃは、斜面に置くと前後に揺れながら下る仕組みで「カタカタ動物」と題し、5年ほど前からシリーズ化。これまでネコやイヌなどの動物に加え、ウサギ、龍、ヘビといった干支も作ってきた。

 牛馬童子像のおもちゃは片側のウマ、もう片側のウシにまたがっている人の姿を忠実に再現。「うまく進むようにさせるのがシリーズの中で一番難しかった。何回も作って時間を費やした」と振り返る。ウマの作品は正月の飾りにもできるように台もセットにした。

 蓑虫さんは「他店で見かける同じおもちゃとはフォームや進み方も違う。今後もさまざまなシリーズを考えていきたい」と話している。牛馬童子像のおもちゃ(税込み1650円)は、中辺路町の熊野古道館などで取り扱っている。


 蓑虫さんは津市出身。伊勢型紙をつくる会社勤務を経て30代で作家として独立。2011年から龍神村で暮らしている。切り絵作品のほか、木のおもちゃも手がけている。一方、龍神村や熊野地方の歴史に造詣が深く、研究者としても知られる。