熊楠記念館60周年で荒俣さん
和歌山県白浜町にある南方熊楠記念館の名誉館長を務める作家の荒俣宏さんが16日、町内のホテルで、和歌山が生んだ博物学者である南方熊楠(1867~1941)と昭和天皇をテーマに講演。白浜について「昭和天皇が来たことを生かして大リゾート地に生まれ変わった」と紹介した。
記念館の開館60周年を記念した式典で、「熊楠と博物の友」と題して講演した。約300人が聴いた。
荒俣さんは、熊楠が紀南を訪れた昭和天皇を案内する映像を見せながら、「当時は天皇がそばを通ったら国民は頭を下げていたと思っていたが、これを見る限り、そうではない。フレンドリーな関係だったように思う。映像が残っていたおかげで常識が覆った」と語った。天皇も博物学の研究者であり「ビジネスや政治にかかわらず、文化の面で国民とつながっていた」と説明した。
その上で「天皇が来たことで、白浜を探究する会が開かれるなど、一気に注目されるようになった。その後、まちおこしで観光地にしようと開発が始まり、旅館や水族館ができていった」と述べた。
自然を観光に生かした取り組みで、大リゾート地に生まれ変わったことについて、「背景にあるのは天皇の博物学旅行。京都大学の瀬戸臨海研究所がシンボルである。このように天皇が来たことをまちおこしに生かしたケースは僕の知る限りここだけ。ドラマになるくらいに面白い」と語った。
博物館について触れ「人の心を豊かにするものであり、みんなの力を合わせて盛り上げないと維持できない。それが白浜にある」と熊楠記念館の存在価値を強調した。
講演に続き、記念館の評議員や南方熊楠顕彰会の常任理事らも参加しての座談会があった。荒俣さんは熊楠について「まだまだ掘り起こされていないことがある。僕は日常の熊楠に興味がある。それが分かると全体像が分かってくるのではないか。天皇との映像は貴重で、そのようなものが他にないかと思う」と呼びかけた。
記念館の開館60周年を記念した式典で、「熊楠と博物の友」と題して講演した。約300人が聴いた。
荒俣さんは、熊楠が紀南を訪れた昭和天皇を案内する映像を見せながら、「当時は天皇がそばを通ったら国民は頭を下げていたと思っていたが、これを見る限り、そうではない。フレンドリーな関係だったように思う。映像が残っていたおかげで常識が覆った」と語った。天皇も博物学の研究者であり「ビジネスや政治にかかわらず、文化の面で国民とつながっていた」と説明した。
その上で「天皇が来たことで、白浜を探究する会が開かれるなど、一気に注目されるようになった。その後、まちおこしで観光地にしようと開発が始まり、旅館や水族館ができていった」と述べた。
自然を観光に生かした取り組みで、大リゾート地に生まれ変わったことについて、「背景にあるのは天皇の博物学旅行。京都大学の瀬戸臨海研究所がシンボルである。このように天皇が来たことをまちおこしに生かしたケースは僕の知る限りここだけ。ドラマになるくらいに面白い」と語った。
博物館について触れ「人の心を豊かにするものであり、みんなの力を合わせて盛り上げないと維持できない。それが白浜にある」と熊楠記念館の存在価値を強調した。
講演に続き、記念館の評議員や南方熊楠顕彰会の常任理事らも参加しての座談会があった。荒俣さんは熊楠について「まだまだ掘り起こされていないことがある。僕は日常の熊楠に興味がある。それが分かると全体像が分かってくるのではないか。天皇との映像は貴重で、そのようなものが他にないかと思う」と呼びかけた。
