和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年12月18日(木)

【動画】3度目打ち上げへ意欲 2月25日、スペースワン、和歌山県串本の小型ロケット

ツアーでロケット発射場の煙道を見学する参加者(2月、和歌山県串本町田原で)
ツアーでロケット発射場の煙道を見学する参加者(2月、和歌山県串本町田原で)
会見で打ち上げに向けたこれまでの経緯や決意を述べるスペースワンの豊田正和社長(右)=15日
会見で打ち上げに向けたこれまでの経緯や決意を述べるスペースワンの豊田正和社長(右)=15日
 宇宙事業会社スペースワン(東京都)は15日、オンラインで会見を開き、和歌山県串本町田原の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」からロケット「カイロス」3号機を来年2月25日午前11時に打ち上げると正式に発表した。民間単独では国内初となる衛星の軌道投入を目指す。挑戦は3度目となる。

 打ち上げ予定時刻は午前11時~11時20分。予備期間に2月26日~3月25日の1カ月間を設定した。

 会見で同社は、2号機の打ち上げから、約1年かけて機体の総点検や再検証を徹底的に実施したことなどを説明。3号機には8月の発表から新たに1機増えて、計5機の小型衛星を搭載する。

 豊田正和社長は「地元に愛されるカイロスで、宇宙輸送サービスを身近な存在にしていきたい。初号機や2号機の結果にかかわらず、日本の未来だと信じ、私たちの歩みを支えてくださった串本、那智勝浦町をはじめとする皆さんの存在が原動力。カイロス3号機はスペースワンの覚悟そのものだ」と決意を述べた。

■地元から期待の声


 田嶋勝正串本町長 みたびこの地から宇宙への挑戦が行われることを町として大変誇らしく思う。カイロスの挑戦は、わが国の宇宙産業発展に寄与するのみならず、町にとっても新たな交流や産業創出の契機となり得る可能性を秘めている。今回の打ち上げを通じて町の活性化や地域の魅力発信につながることを期待する。

 堀順一郎那智勝浦町長 打ち上げ日時がようやく発表され、大変うれしい。今回こそぜひとも成功いただき、スペースワン社が目標として掲げられている年20回、30回の打ち上げが実現し、ひいては地域振興につながることを期待している。町全体で盛り上げたい。

 宮﨑泉知事 打ち上げ情報の周知や見学イベントの開催など、串本町・那智勝浦町や関係機関と連携して全力で打ち上げをサポートしていく。スペースワンとカイロスの成功が県全体の活性化に向けて大きな柱となることを期待している。


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