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2025年12月19日(金)

部員増加比率で全国1位 きっかけは草野球チーム、本宮町商工会青年部、和歌山

部員増加比率実績が全国1位となった和歌山県本宮町商工会青年部の寺岡裕晃部長(前列左から2人目)らメンバー
部員増加比率実績が全国1位となった和歌山県本宮町商工会青年部の寺岡裕晃部長(前列左から2人目)らメンバー
 和歌山県田辺市の本宮町商工会青年部(寺岡裕晃部長)に所属する部員数が、大きく増えている。昨年にはわずか2人と存続の危機に直面していたが、今年は12人まで増加した。きっかけは草野球チームの結成だったといい、「部員増加比率実績」が全国1位になったとして商工会青年部の全国大会で表彰を受けた。


 商工会青年部は、商工会員のうち45歳以下の若手経営者らでつくる組織。寺岡部長(40)=本宮町小々森=が町内に理美容室を開業して青年部に入った9年ほど前はメンバーが16人いたが、その後、先輩たちは続々と「卒業」していった。

 一方で新メンバーは一人も加入してこず、寺岡さんが部長になった2023年4月には翌年3月に卒業を控えた人を含め、計3人と激減していた。

 存続に危機感を抱いた寺岡さんは「青年部に入ってもらうためではなく、青年部の活動を知ってくれる人を増やせる場所をつくろう」と、草野球チームを結成。熊野の神の使い「八咫烏(やたがらす)」にちなんでチーム名を「CROWS(クローズ)」とし、仕事中や地域の集まりで出会った若者たちに声をかけながらメンバーを増やしていった。

 皆で草野球を楽しみながら地域イベントにも協力するようになり、青年部にも続々と加入。昨年4月には部員2人となっていた青年部は、若手経営者や後継者が集う場として再び活気を取り戻した。

 寺岡さんは「実は野球は未経験だったが、草野球チームをつくれば人が集まるのではないかと思った。青年部はこのまま終わるのではないかと思っていたので、部員が増えてとてもうれしい。若い力を借りて地域を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。

■2位も田辺
大塔村商工会青年部

 11月下旬に岩手県で開かれた第25回商工会青年部全国大会では、部員増強運動の一環として「部員増加比率実績」の表彰があった。1位が増加比率500%(2人から12人)の本宮町商工会青年部で、2位も田辺市の大塔村商工会青年部だった。

 同青年部の増加比率は300%(1人から4人)。事務局によると、長年、竹中実浩部長(39)=田辺市鮎川=が1人で活動していたが、あらためて活動の魅力や地域への貢献を地道に訴えていったところ、部員増につながったという。


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